連載コラム 自然エネルギー・アップデート

2015年、家庭用太陽光の発電コストが電気料金より安くなる可能性あり 英語オリジナル

2014年12月4日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団理事長
木村啓二 自然エネルギー財団上級研究員

日本における自然エネルギー電力は、寛大な固定価格買取制度にもかかわらず、ゆっくりと進化してきた。電力市場の独占と計画プロセスの煩雑さが、ここ数年にわたり、風力・地熱・バイオマスプロジェクトを妨げてきたのだ。

しかし、計画プロセスに対する規制も、強大な企業たちも、太陽光発電の発展を止めきれなかったようである。日本は、世界でも主要な太陽光発電市場の一つに返り咲き、他の国々と同様、産業界の学習効果も急速に進んでいる。



この5年間で、家庭用太陽光発電の発電単価が、1kWhあたり50円から30円未満に減少した。その一方で家庭の電気料金は、何段階かにわたり少しずつ値上げされてきた。上図が示すように、今の傾向が続けば、来年2015年の第二四半期には、家庭用太陽光発電の発電単価と通常の電気料金が同等になる。

もちろん、この傾向に水を差しかねない要因は多々ある。特に円安は、太陽光発電の部材や従来型発電所の燃料輸入価格に影響を与える可能性がある。

それでも、太陽光パネルの設置が家計を助ける瞬間が迫っていることは、日本では特に重要な事実だろう。家計貯蓄率が高く、金利が低いからだ。家庭用太陽光発電への投資は、エネルギー戦略の失敗による電力コスト問題の解決に、大きく素早く貢献できるかもしれない。


【注】太陽光発電の発電単価の算定条件
太陽光発電の発電単価の試算は、設備利用率:12%、割引率:3.2%、年間運転管理費:初期費用の1%、発電設備の廃棄費用:初期費用の5%と設定して、試算した数値である。
なお、太陽光発電システムの初期費用は、一般社団法人太陽光発電普及拡大センター「都道府県別申請件数集計データ」より作成。