連載コラム 自然エネルギー・アップデート

ドイツのエネルギー大転換 その最新の展開 英語オリジナル

2014年3月14日 ステファニー・プファール ドイツ連邦環境・自然保護・原子炉安全省 風力・水力発電部部長

2000年に、ドイツで最初の「自然エネルギー促進法」(EEG)が採択された。当時、発電に占める自然エネルギーの割合はわずか3%に過ぎなかった。その後14年間で、自然エネルギーは電力総消費の約25%を占めるまでに成長した。風力、PV、バイオマス、水力や、少しの地熱発電などだ。ドイツの目標は、2050年までに自然エネルギーの占める割合を80%までに伸ばすことだ。この目標は、単に原子力を段階的に廃止するためだけでなく、気候変動対策として二酸化炭素の排出量を大幅に削減するためのものでもある。

2012年末の時点での、ドイツにおける自然エネルギーの設置容量は以下の通りだった。
PV    :33GW (3,300万キロワット)
陸上風力 :31GW (3,100万キロワット)
バイオマス:7.5GW (750万キロワット)
水力   :5.6GW (560万キロワット)
洋上風力 :435MW (43.5万キロワット)
地熱   :12MW (1.2万キロワット)

ここからの総発電量は143TWh (1,430億kWh)にのぼり、原子力発電所13基分に匹敵する。ドイツで稼働していた17基の原発のうち、すでに8基(総容量9GW−900万kW)が送電網から切り離されており、残った9基は、約97TWh(970億kWh)の電力を発電している。

今後は、2015年にグラフェンラインフェルド、2017年にグンドレミンゲンBの2基が廃炉になる。そして、2022年には、ドイツ最後の原発が運転を終了する予定だ。

ドイツの「エネルギーヴェンデ」(“エネルギー大転換”)に対する批判に対して、ここで強調したいのは、供給の安定が損なわれることがまったくなかった点である。一度の停電もなかったし、エネルギーの供給不足があると疑われるような根拠はまったくない。

もちろんそのためには、送電網運用者が、送電網の管理と短期の需給予測調整に重点的に取り組む必要があった。14年間を経て、自然エネルギーを支援するための総コストは、年間240億ユーロにのぼっている。福島原発の事故で「エネルギーヴェンデ」が加速され、自然エネルギーの拡大を後押ししたため、コストは増えた。現在、自然エネルギーに対するコストは、一般的な家庭で一か月18ユーロ程度である。

ドイツのエネルギー転換戦略に対する批判として、このコスト面が挙げられることが多い。確かに、自然エネルギーが総電力消費量に占める割合が約25%になった今、コスト効率を高めるためにシステムを慎重に再検討する段階に来ていることは否定しない。

しかし、一方で強調したいのは、固定価格買取制度による自然エネルギーの支援が、たいへん大きな成功をおさめてきたことである。再生可能エネルギーを拡大してここまでのシェアを実現し、産業の育成や雇用の創出など、国内で価値を創造することに多大な貢献をした。特に風力発電分野は、ドイツの輸出市場の成功の一助となってきた。

最後に、非常に重要なことは、今、多くの電力消費者が、同時に、自然エネルギーの発電者でもあるということだ。農家や、地域電力の出資者、個人、中小企業などだ。このように、小口の電力消費者が発電者にもなれたのは、固定価格制度によって、発電からの収入がある程度保証されているためだ。

つまり、コストがかかっているだけなのではない。この制度は、経済や人々にさまざまな利益をもたらしているのである!

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