連載コラム 自然エネルギー・アップデート

概要:2014年ドイツの自然エネルギー 英語オリジナル

2015年2月24日 クレイグ・モリス Renewables International 編集者 および
EnergyTransition.de筆頭執筆者(@PPchef)

昨年は、ドイツの風力発電とバイオガス発電にとって記録的な年となった。前者はよい記録、後者はその逆だ。太陽光発電市場は大幅に縮小したが、それでも世界的に見れば、送電網のサイズの割にかなり大きな規模を保っている。

まずは明るい話題から始めよう。昨年ドイツに導入された陸上風力発電の容量は4.75 GW(475万kW)で、前年の導入量である約3.0 GW(300万kW)から50%以上増加した。2014年のこの数字は、ドイツにおける年間導入量の新記録でもあり、それまでの記録であった2002年の約3.2 GW(320万kW)を50%近くも上回った。

しかし、この急成長はあまり長続きしないだろう。というのも、この動きの一因には政策上の不確定要素があるからだ。欧州委員会の要望を受けて、逆オークション方式を推進するため、ドイツは大規模な系統に対する固定価格買取制度を2017年までに廃止することを目指している。その一環として、政府は今年、地上設置型太陽光発電向けの試験的なオークションを行う。しかし風力発電業界では、太陽光とはかなり要件が異なるため、このオークションを模倣して将来的にうまくいくのか、疑問が生じている。こうした不安から、今のうちにできる限り建設しておこうという事業者が続出したのだ。

2014年、ドイツでは洋上風力発電も著しい発展を遂げ、年末には累積導入量が1,049 MW(104万9千kW)となった(陸上風力は38,116 MW(3,811万6千kW))。これに加え、海中に装置が設置されているものの送電網への接続が済んでいない、もしくは建設が完了していない容量が、合計で1,303 MW(130万3千kW)に上る。この調子でいけば、今年中にも2ギガワット(200万kW)の大台を超え、2020年までに6.5 GW(650万kW)という目標に向けて順調に進みそうだ。これに加えて、923 MW(92万3千kW)分の設置も予定されている。尚、ドイツでは陸上風力と洋上風力の統計は区別して報告されている。陸上が主に小規模事業者や市民主導のエネルギー協同組合を中心に運営されているのに対し、洋上にはそのような事業者が見られないなど、両者の事業所有者の構成がかなり異なるからである。

総合すると、陸上・洋上風力発電の累積容量は、2014年末に38.23 GW(3823万kW)に達した太陽光発電の累積容量を再び上回った。ドイツの太陽光発電の市場規模は現在、2010~2012年のわずか4分の1に縮小している。2010~2012年の年間導入量が7.5 GW(750万kW)前後だったのに対し、昨年はわずか1.9 GW(190万kW)だったのだ。しかし、世界の市場に目を向けると、数年前の約30 GW(3,000万kW)から今年の予測では50~55 GW(5,000万~5,500万kW)まで拡大している。したがって、ドイツの太陽光発電業者のなかでも、国内より海外の市場に力を入れている業者はかなり好調だ。また、夏のピーク電力需要が70 GW(7,000万kW)を超えることがほとんどないドイツの電力市場は、たとえば米国と比べると10分の1の規模である。この違いを考慮に入れて換算すれば、ドイツの太陽光発電業界が自ら崩壊の年だとした昨年でさえ、太陽光発電において、ドイツの年間導入量が米国の累積導入量を少し上回っていたことになる。

バイオガスの分野は最悪の状態に陥った。発電だけでなく熱供給や輸送にも利用できるバイオエネルギーは、今までエナギーヴェンデ(エネルギー大転換)における縁の下の力持ち的な存在だった。ドイツのエネルギー供給全体に占める割合をみると、太陽光と風力が合わせて3%に満たないのに対し、バイオエネルギー(廃棄物利用のものも含む)は9%近くになる。ところが2014年に新しい連立政権によって、発電分野のバイオガス装置は採算がとれないという結論が出された。昨年の導入量は約40 MW(4万kW)で(数年前の600 MW(60万kW)から下落)、そのほとんどは新しい法律の施行前に導入されたものだった。今年は、新規の導入予定は実質的にゼロだが、既存のプロジェクトの改善は数多く予定されている。


クレイグ・モリス(@PPchef)は、German Energy Transitionの筆頭執筆者である。また、Petite Planèteを主宰し、平日は毎日Renewables Internationalに寄稿している。

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