連載コラム 自然エネルギー・アップデート

ドイツの一般家庭のおかげで日本がエネルギー資源大国に! 英語オリジナル

2014年12月18日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団理事長

日本は資源の乏しい国だとよく言われ、またそれは真実だと思われている。過去100年にわたり、世界中で石炭や石油、ウラン、ガスがエネルギーとして利用されてきた。資源の中でこれらがもっとも低コストだったためである。日本には、こうした枯渇性エネルギー源となる資源がほとんど存在せず、発電や自動車、家庭の暖房は、すべて輸入燃料に依存してきた。

しかし、過去10年で産業には劇的な変化が起きている。一部の国の産業政策が原動力となり、自然エネルギー源を利用する技術(特に風力と太陽光)が安価になり、現在は競争力を持つようになった。

もっとも積極的な国はドイツである。ドイツ連邦議会では、固定価格買取制度(FIT)によって太陽光や風力で発電された電気に十分な料金を支払うことが決定された。電力網は旧来の電力会社から分離され、すべての発電事業者が自然エネルギーによる電力を市場に供給する権利が保障されたのだ。

投資も予想を上回った。主な投資家は電力会社ではなく、一般家庭や農家、小規模企業であった。すべての世帯にFITにかかるコストの支払が義務付けられている一方、多くの家庭は、屋根の上の太陽光発電、あるいは地元住民による共同組合や小規模企業が建設した風力発電所からの収入によって、利益を享受している。

もっとも重要なのは、ドイツの取り組みが世界的な産業の成功をもたらしたことである。現在、太陽光や風力によって低コストの発電が可能になり、いずれの種類の旧来型発電所に対しても競争力がある。

消費者には朗報であるが、旧式の高コストな原子力発電所、石炭火力発電所を持つ電力会社にとっては非常に厳しい現実である。

そして日本にとって、これはすばらしい進歩となる。日本列島とその周りの海上を吹き渡る風が、突然、貴重なエネルギー源に変わり、またエアコンによる電力消費が膨大になるまさにその時期に、太陽光によって莫大な電力が提供されることになる。国内で発生するバイオマス残渣や廃棄物の活用、地熱エネルギーや水力も加えれば、今や日本は競争力に優れたエネルギー資源を豊富に持つ国と言うことができる。

ドイツの家庭が費用を負担した産業育成のおかげで、日本は資源大国になった。日本は石油や石炭、ウラン、ガスの輸入代金を支払う必要がなくなれば、貿易収支の改善が可能になる。また、温室効果ガスの排出量が減少すれば、世界の気候変動に与える影響も軽減することができるだろう。日本のエンジニアリング産業はその技術を活用して、国内の自然エネルギーを数十年にわたって持続的に低コストで利用できる発電所を建設することもできる。自然エネルギー技術の世界的な発展を受けて、日本は豊富なエネルギー源を有する資源大国となったのだ。