アジアスーパーグリッド(ASG)とは

「アジアスーパーグリッド(ASG)」とは、アジア各地に豊富に存在する太陽光、風力、水力などの自然エネルギー資源を、各国が相互に活用できるようにするため、各国の送電網を結んでつくりだす国際的な送電網のことです。

自然エネルギー財団は2011年の設立以来、その実現をめざす取組みを推進してきました。欧州や北米では100年程度以前から、各国が送電網を結び、電力の有効活用を進めてきました。近年では、自然エネルギーの導入拡大にともない、国際送電網の整備は更に活発に進められています。

これに対し、東アジアでは、中国やモンゴル、ロシアなどの間で限定的な連系があるだけです。今世紀後半に脱炭素社会への転換をめざすパリ協定が成立し、全てのエネルギーを自然エネルギーでまかなう「自然エネルギー100%」の実現が必要になる中で、国際送電網の構築はいっそう重要な課題になっています。

自然エネルギー財団は、国内外の多くの企業、NGO、政府機関などと連携し、アジアスーパーグリッドの実現をめざしていきます。

アジアスーパーグリッド構想の経緯

2011年9月
孫正義 自然エネルギー財団設立者・会長が、「アジアスーパーグリッド構想」を発表

2011年9月12日に開催された自然エネルギー財団 設立イベントで孫正義会長が、「アジアスーパーグリッド構想」を発表しました。

この構想に関する議論を推進するため、2012年3月2012年9月に開催した財団主催の国際イベントでは、孫会長とともに国内外の有識者、エネルギー専門家により、アジアスーパーグリッドの可能性と実現に向けた課題についての講演やパネルディスカッションが行われました。

2014年1月
アジアスーパーグリッドに関する報告書の公表と国際シンポジウムの開催

自然エネルギー財団では、エネルギー憲章事務局、モンゴルエネルギー省などとともに、アジアスーパーグリッドに関する国際研究を進め、2014年1月に報告書 "Gobitec and Asian Super Grid for Renewable Energies in Northeast Asia" がとりまとめられました。

この報告書の公表を踏まえ、2014年1月28日には、ロシア、モンゴル、韓国、日本から政府機関、地方自治体、研究機関、企業などの参加を得て、国際シンポジウム「アジアスーパーグリッドによる国際連系の可能性」を開催しました。

2016年3月
国際送電網の構築をめざす "Global Energy Interconnection Development and Cooperation Organization (GEIDCO)" の創設

2016年3月、中国国家電網(SGCC)のよびかけにより、自然エネルギーの活用のための世界的な送電ネットワークの実現をめざす国際的非営利団体、"Global Energy Interconnection Development and Cooperation Organization (GEIDCO)" が設立され、財団は理事会メンバーとして参加しました。

"Global Energy Interconnection"は、ASG構想の世界版であり、国際的な自然エネルギーの活用を促進するものです。GEIDCOには、中国、韓国、ブラジル、ロシアなどの電力会社、大学・研究機関、送電分野の世界的企業などが参加しています。

GEIDCOの会長には、中国国家電網会長の劉振亜(Liu Zhenya)氏が就任し、副会長には、自然エネルギー財団設立者・会長の孫正義氏(ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役社長)が、元米国エネルギー庁長官のスティーブン・チュー氏とともに就任しました。

2016年9月
財団設立5周年シンポジウムで、中国、ロシア、韓国の電力業界のトップが参加するセッションを開催

2016年9月9日に開催された自然エネルギー財団設立5周年記念シンポジウムでは、孫正義ソフトバンクグループ代表(自然エネルギー財団設立者・会長)と中国、ロシア、韓国の電力業界を代表するスピーカーによる講演とディスカッション「脱炭素をめざすアジア」が行われました。

孫正義氏は、2011年9月に初めて提唱した「アジアスーパーグリッド」構想の内容と今日までの展開について講演し、グローバル・エネルギー・インターコネクション発展協力機構のリュウ・ゼンヤ会長、韓国電力公社のチョ・ファンイク社長も、世界とアジアをつなぐ国際送電網構想を紹介しました。

またこのセッションでは、ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスのマイケル・リーブリック氏による講演も行われ、パネルディスカッションには、ロシアの電力会社ロスセチのオレグ・ブダルギン氏、ロッキーマウンテン研究所のエイモリー・ロビンス博士も参加しました。

2017年4月
「アジア国際送電網研究会 中間報告書」の公表

2016年7月に、自然エネルギー財団が事務局となり、電力系統やエネルギー政策の研究者、自然エネルギーの専門家、関連する企業関係者などをメンバーとして「アジア国際送電網研究会」が設置されました。

2017年4月には、それまでの検討をまとめた中間報告書が公表されました。