公益財団法人 自然エネルギー財団は、本日「石油化学の脱炭素化への道筋:大量消費見直し・炭素循環・自然エネルギー」を公表しました。
産業部門は日本のエネルギー起源CO2排出量の37.8%を占めていますが、その産業部門の中で石油化学は鉄鋼業に次いで第二位の排出量となっています。それだけではなく、石油化学製品の使用や使用済み石油化学製品の廃棄物処理の過程からも多量のCO2が排出されています。
石油化学工業はこれまでは削減困難な(Hard-to-abate)分野のひとつとされてきましたが、1.5℃目標を達成するためにはこの部門の脱炭素化を先送りすることはできません。CO2実質ゼロを実現できる技術は急速に開発が進んでいます。しかし、課題はむしろ、石油化学の脱炭素化に向けて連携して取り組まなければならない多くのセクターの間で、将来ビジョンが十分に共有されていないという点にあります。
本レポートでは、石油化学産業及び石油化学製品の脱炭素化を進めるには、石油化学工業の関係者だけではなく、バリューチェーン全体で幅広い主体が協調して取り組むことが必要であることを示しています。注目される欧州の施策も紹介しながら、今後の政策で重視すべきことを、8つの提言にまとめています。本レポートを通じて、産業部門における脱炭素化へ関心が高まり、大量消費社会から持続可能な消費及び生産への移行が進展することを期待します。
本レポートの趣旨
要約
第1章 石油化学の現状とCO2排出の状況
第2章 石油化学の脱炭素化へ
1 まず必要なのは、生産・消費量の削減
2 原料の転換=炭素の循環利用
3 ナフサ分解炉等の自然エネルギーへの転換
第3章 脱炭素化への道筋
おわりに