ポジションペーパー木質バイオエネルギーの持続可能性について温室効果ガス削減に資する持続可能性確保の制度化

2020年7月10日

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公益財団法人 自然エネルギー財団は、本日、ポジションペーパー「木質バイオエネルギーの持続可能性について:温室効果ガス削減に資する持続可能性確保の制度化」を公表いたしました。

2012年度から始まったFiT制度がバイオエネルギーの近年の成長を牽引しています。その結果、燃料消費量が急増し、持続可能性の確保が喫緊の課題になっています。

日本では、FiT制度だけではなく電気事業制度一般においても、発電事業者に燃料についての持続可能性を確認する規制がそもそも存在しませんでした。そのため、2019年度より資源エネルギー庁により「バイオマス持続可能性ワーキンググループ」が設置され、持続可能性基準の策定と基準に適合することの証明に用いることができる認証制度についての議論が行われました。しかし、このワーキンググループの議論の範囲は農業系バイオエネルギーに限られ、木質バイオエネルギーは対象外とされ、持続性確保取組の運用面であいまいな状態が続いています。加えて2020年度以降、温室効果ガス削減効果の確認方法に関する検討が行われる予定ですが、木質バイオエネルギーも含めて統一的な議論が行われる必要があります。

本ポジションペーパーでは、木質バイオエネルギーの現状と今後の課題を整理し、日本のFiT制度での活用を念頭に、持続可能性確保のための制度的な仕組みのあり方について基本的な考え方を明らかにしています。また、バイオエネルギー利用にかかる炭素フローの全体像を示し、温室効果ガス削減効果を確認するための論点と、長期的な視点を踏まえた温室効果ガス削減効果目標の設定方法について考え方を提示しています。加え、木質バイオエネルギーの持続性に関する基盤となる森林の保全の重要性についても概説しています。
<目次>
はじめに
第1章 木質バイオエネルギーの持続可能性確保の制度化
  I. 木質バイオエネルギー発展状況と対応すべき課題
 1. 世界における状況
 2. 日本における状況
  II. 持続可能性確保の制度化
 1. 木質バイオエネルギーの持続可能性確保の現状と問題点
 2. 木質バイオエネルギーの持続可能性証明の方向性
第2章 気候変動対策に寄与するバイオエネルギー利用の推進
  I. バイオエネルギー利用によるGHG削減効果把握の枠組み
 1. FiT制度におけるGHG削減効果確認の開始
 2. 把握すべきGHGの全体フロー
  II. GHG削減効果の管理制度の構築
 1. GHG削減に資するLCAによる管理のポイント
 2. GHG削減目標の適切な設定
 3. 木質バイオエネルギーの炭素中立性の確保

<関連リンク>
地域型木質バイオエネルギー発電に関するFiT制度見直しの提言 (2019年10月)
提言 日本のバイオエネルギー戦略の再構築:バイオエネルギー固有の役割発揮に向けて (2018年4月)
木質系バイオマス発電に関するFIT制度見直しの提言:持続可能なバイオエネルギー利用実現のために必要な軌道修正を (2016年11月)

外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギー協議会
  • 指定都市 自然エネルギー協議会
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织

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