世界は自然エネルギー100%に向けて踏み出した
パリ会議は世界の気候変動協定に合意 2015年12月14日掲載

フランス・パリ、2015年12月12日 現地時間 19:26

2015年12月12日、第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(パリCOP21)が終了した。史上初めて、先進工業国・途上国にかかわらず、すべての国が一丸となって、温室効果ガスを削減し、気候変動の最悪の影響を阻止するための取り組みに合意した。

今回のパリ会議の会場で一番大きな存在感を示していたのは自然エネルギーである。自然エネルギー関連団体やNGOだけでなく、気候NGO、宗教グループ、気候脆弱国フォーラム(CVF)、ユース(若者たち)、自治体、投資家など、多くの異なったグループが、『自然エネルギー100%』を掲げ、化石燃料から新しい経済への脱却を訴えていた。

気候変動枠組条約の署名が開始された1992年『リオ・環境サミット』から23年、第1回COP会合から21年が経過し、各国が手をこまねいているなかで、気候変動の脅威は加速し大きな被害が広がっている。

一方で、その間に、自然エネルギーは、欧米先進国のみならず、アジア、中南米、新興国、途上国で大きく発展を続け、いまや、世界中で、安定的で、経済的で、安全なエネルギーを人々に提供している。

今存在しない技術ではなく、今存在しない政策や投資によってではない。すでにわたしたちが手にしている技術ー太陽光や風力やバイオエネルギーや地熱や水力が、世界の20%のエネルギーを生み出し、電力分野では23%を供給、コストは大幅に低下、設備容量も供給量もどんどん増え続けている。

本日合意にいたった『パリ協定』は、危険な気候変動を防ぐ目安となる平均気温の上昇を「2度未満」に抑えるという目標を明確にし、さらに、産業革命以 前に比べて1.5℃未満に制限するよう努力すると書き込まれた。

しかし、現在提出されている目標を合わせても、「2度未満」に抑える目標は達成できない。協定では、締約国が国別の排出削減や行動の提出と見直しを5年毎に行い、目標達成に向けた国内対策をとらなければならないとし、さらに、5年毎の見直しを行った際に、新しい目標は古い目標より強化することが盛り込まれた。

そして、マーシャル諸島共和国などの主導で、アフリカ各国や、米国やEU各国、カナダ、ブラジル、フィリピン、オーストラリアなど、100ヶ国以上が参加する「高い野心を持つ国々の連盟」(the High Ambition Coalition)という新しいグループの結成も、今までの交渉過程の中では、特筆すべき出来事だ。交渉を前に進めるための大きな推進力となった。

一方で、日本政府はこの連盟に参加したのも交渉の行方が決まった今日になってからだ。未だ国内対策計画もとりまとめておらず、自然エネルギーが大きな役割を果たす各国の気候変動対策に大きく遅れを取る消極的な削減対策に留まっている。

日本が確実に温室効果ガスを削減するために、まずはここ二十余年、進んでいない産業分野でのエネルギー効率改善を進める施策の強化が必要である。また業務・家庭分野では、建築物の省エネルギー基準の義務づけなどに取り組むことが重要である。

そして、エネルギー転換分野では、石炭火力発電の新増設を全て中止し、自然エネルギー増加に向けたエネルギー政策に舵を切るべきである。さらに、根本的な脱炭素化を進めるために、炭素税の強化や排出量取引制度(キャップ&トレード)の導入というカーボン・プライシングの実現を急ぐべきである。

世界は、自然エネルギー100%に向けた未来に、確実に一歩足を踏み出した。

日本の自然エネルギーも、固定価格制度導入以降、大きな拡大を続けている。この流れを押しとどめてはならない。そこにこそ、日本の未来がある。

(了)
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