自然エネルギー財団プレスリリース
報告書「持続可能な社会と自然エネルギーコンセンサス」 2015年6月26日

 自然エネルギー財団と環境エネルギー政策研究所は、自然エネルギー事業関係者、自然保護関係者が参加する「持続可能な社会と自然エネルギー研究会」を2012年12月より開催し、持続可能な社会に向かう中で、自然エネルギーが受け入れられる社会を実現するための課題や解決策について議論してきた。この研究会の議論を通して、参加者間で持続可能な社会における自然エネルギーの必然性が確認され、参加者間で下記の「持続可能な社会と自然エネルギーコンセンサス」を取りまとめた。

 このコンセンサスは、参加団体のコンセンサス・声明ではなく、研究会参加者間のコンセンサスとしてまとめた。今後、各参加者がこのコンセンサスの考え方を自然エネルギー関係者、自然保護関係者など多様なステークホルダーと共有し、広げていくことが期待される。

 本報告書は、この「持続可能な社会と自然エネルギーのコンセンサス」と、「持続可能な社会におけるエネルギー利用の考え方」や、「持続可能な自然エネルギーの利用原則」、「持続可能な自然エネルギー利用に向けたステークホルダーの取り組みや課題」について研究会の成果として取りまとめたものである。

本文 持続可能な社会と自然エネルギー研究会報告書 全90頁 (1.9MB)

持続可能な社会と自然エネルギーコンセンサス

持続可能な発展には自然エネルギーの利用が必須

生物多様性の維持や地球温暖化の回避を始めとする環境保全を基盤として、将来世代を含む社会的な公平性および公正性と、広義の経済的な発展とのバランスのとれた持続可能な発展を目指すためには、自然エネルギーの利用が中長期的に唯一の永続可能なエネルギー資源です。

省エネルギー

持続可能な発展を構成する「持続可能なエネルギー」システムにおいては、供給側では自然エネルギーの利用が必須であり、需要側では省エネルギーが必須です。そのためには、あらゆる分野で単なる節約に留まらずエネルギー利用機器の効率を飛躍的に高めるとともに、産業構造の変化も含む社会構造の変革をとおして、人々のニーズを損なわないかたちで社会全体のエネルギー総需要を削減してゆくことが必要です。

自然エネルギーは必然だがそれだけでは不十分

すべての自然エネルギー事業が「持続可能な開発」に該当するとは限りません。開発利用のあり方・社会的合意のあり方によっては、「持続可能なエネルギー」ではない自然エネルギーもあることを認識します。

予防的アプローチ

自然エネルギーが環境・社会にもたらすリスクは、他の持続不可能なエネルギー(化石燃料および原子力)と比較すれば、相対的に小さいですがゼロではありません。自然エネルギーの開発においても、重大かつ取り返しのつかない影響の恐れがある場合には、予防的なアプローチをとることが必要です。

地域社会の合意を前提

自然エネルギーの利用は、地域の物理的・社会的な環境の改変を伴うことが避けられない場合は、とくに地域社会にかかわるさまざまなステークホルダーの社会的な合意を前提とします。

自然エネルギー利用の持続可能性を高める方策

開発利用における予防的アプローチの必要性とともに、自然エネルギー利用の社会的な合意を高める方策として、土地利用ゾーニングや戦略的アセスの見直しなど予防的にリスクを下げるための自主的・行政的・制度的な改善を図り、自然エネルギーによる便益を高める努力をするとともに、地域コミュニティの主体的な参加など合意形成を高める新しい社会モデルの構築を目指します。

暫時的合意と継続的な改善・見直し

科学的な知見の不確実性・不十分性および社会的合意の時代変化を考慮して、自然エネルギーの開発利用はその時点における暫時的合意との共通理解に立ち、その開発利用のあり方については将来にわたって継続的に改善・見直しを図ります。

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