下記項目をクリックすると詳しい答えが表示されます。

1Debunking

太陽光発電など自然エネルギーの特徴は、屋根の上に設置したり、農地の一部を活用したりして、他の用途と共存して導入することもできることです。またこれまで使い途のなかった未利用地を活用して、大規模な普及を実現することもできます。

太陽光発電で最近、進んできているのは、農作物の収量を維持したまま、農地上の空間を太陽光発電に利用するソーラーシェアリングの取り組みです。また風力発電では、山間地などで主にこれまで未利用であった場所を活用して設置が進んでいますが、海外では牧場などに設置され、農業と共存する事例もたくさんあります。日本でも水田の間を縫って設置され、風車の立地する田園風景が観光客を増やし、地元農産物の直売所と相乗効果を発揮した事業も行われてきました。※1

「原子力発電所1基分を太陽光発電で代替するには、山手線の内側面積とほぼ同じ面積が必要」という言い方がされることがあります。しかし、山手線内側の面積58k㎡を日本の農地面積と比べてみると、0.13% 程度ですし、耕作放棄地と比較しても1.45% 程度ですから、ソーラーシェアリングのような方法も使って、農業と共存しながら大規模に自然エネルギーを導入することも十分に可能です。

また、太陽光発電の設置が可能な住宅と商業建物の屋根面積は、全国で約2547k㎡と推計されますので、建築物の屋根を活用するだけでも、相当の量の太陽光発電の導入を進めることができます。

※1農水省資料より 山形県庄内町 風車市場http://www.maff.go.jp/j/shokusan/renewable/energy/pdf/meguzi.pdf

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2Debunking

太陽光や風力は時々刻々と変わるので、短期的に発電量が変動することは確かです。しかし、こうした変動にあわせ、水力、地熱、バイオマスなどほかの電源を組み合わせて運用していくことで、全体として安定した電気の供給が可能になります。その際、気象情報などを活用し、発電量の変動をかなり正確に予測することができるようになってきているので、他の電源でのバックアップも少なくて済むようになってきています。

また、太陽光や風力の発電量は、狭い地域の個々の発電機でみると変動の幅が大きくても、広い地域の多くの装置の発電量を合わせると、全体でならされて変動を小さくすることができます。したがって、広域的に電力の需給バランスをとることで、さらにバックアップの必要な量を小さくできるようになります。

実際に、このような技術的な対応を賢く行い、太陽光発電や風力発電の電力を相当量受け入れて、安定的な電力供給を実現している国や地域がたくさん生まれてきています。たとえば、2013年にはデンマークは電力の3割を風力発電でまかないました。ポルトガルは、4分の1を風力発電からの電気で供給し、スペインは21%の電力を風力発電でまかないました※1 。

アメリカのアイオア州・ノースダコダ州でも州の電力の25%が風力発電からの電気でした※2。

また、より短い期間で見ると、風力発電の割合が100%を超える時間帯もみられるようになっています。デンマークでは2013年11月3日に国内で消費される電力以上に風力発電が発電し、余った電力をスウェーデンやノルウェーに輸出しました。

さらに、こうした変動電源を組み入れるコストですが、欧州の実証研究によれば、風力発電が20%以内の場合であれば、風力が変動することでかかる送電網の運用コストは、とても小さいことがわかっています。

※1 Wind power generated largest part of Spain’s electricity in 2013 - See more at:http://www.rtcc.org/2014/01/06/wind-power-generated-largest-part-of-spains-electricity-in-2013/

※2 Denmark, Portugal and Spain leads the world in wind powerhttp://www.steelguru.com/international_news/Denmark_Portugal_and_Spain_leads_the_world_in_wind_power/340660.html

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3Debunking

日本では、「高い」といわれることの多い自然エネルギーですが、国外に目をむけてみると、普及が進む風力発電は、火力発電と同等かそれ以下のコストで発電できる経済性のある電源として認識されています。米国の調査機関によれば、世界の最新(2014年第一四半期)の風力発電の発電単価は、1kWhあたり8円とされています 。太陽光発電についても、従来は高かったものの、普及が進むにつれてコストが低下しており、15円/kWhと評価されています※1。

国内でも、地熱発電や風力発電は、実は既に火力発電とそん色ないコスト水準での発電が可能となっています。コスト等検証委員会(2011)の検証では陸上風力9.9円から、地熱発電は9.2円以上となっています(いずれも1kWhあたり)。

また太陽光発電については、2011年の政府試算では住宅用太陽光で33~38円/kWhとなっていましたが、2013年末には住宅用では平均で28円/kWh程度にまで低下しています※2 。メガソーラーについては、平均で22円/kWh程度になっています※3 。

これらの自然エネルギーによる発電のコストは、今後、普及が進んだり、技術開発が進んだりすることで、更に低減していくことが期待できます。

また化石燃料の価格は、長期的には上昇が予測されているため、発電コストも上昇を避けることは難しいといえます。さらに、国際的な需給バランスや国際情勢によって、価格の乱高下が発生するリスクがあります。

原子力発電のコストについても、その危険性が認識されるにつれて、さらなる安全対策投資が求められるようになり、金融機関からも投資リスクの高い電源として認識され、資金調達コストがかさんできています。このため、そのコストは日本のみならず欧米を中心に上昇傾向にあります。例えば、英国で現在、計画されている原子力発電では、15.7円/kWhという高い価格が設定されています。

※1 出典:Bloomberg New Energy Finance, Clean energy in 2013: Costs sink along with investment, 2014 ※2 システムコスト40万円/kW;割引率3%;設備利用率12%として、計算しています。 ※3 システムコスト27.5 万円/kW;割引率3%;設備利用率13% として、計算しています。

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4Debunking

ドイツは、固定価格買取制度をいち早く導入し、世界に先駆けて自然エネルギーの導入を進めてきました。その結果、最初は高かった風力や太陽光などの発電設備のコストがどんどん下がり、技術革新も進みました。たとえば太陽光発電は、過去7年間だけでも設備の価格が1/3に下がり、風力発電機の平均出力も、2000年以降1,100kWから2,600kWと倍以上に増えました。

こうした政策を進めてきた結果、年間の電力消費量に占める自然エネルギーの割合は、2000年には6.2%にすぎなかったものが、2013年には25.4%にまで拡大しました。

また、自然エネルギー関連産業が生み出した雇用は、38万人以上にもなっています(2013年)。欧州最大の経済国ドイツにおいて、電力消費の4分の1を自然エネルギーが賄いながらも、電力の安定供給だけでなく、好調な経済、健全な財政を維持しているのです。

もちろん、その過程にはいくつかの問題もありましたし、現在でも、できるだけ負担を小さくしながら自然エネルギーの更なる拡大を図るためにどうすればよいか、様々な議論が進んでいます。しかし、全体としてドイツの自然エネルギー政策は予想以上の成功をおさめたと言えます。こうした状況を踏まえて、今年、ドイツではいくつかの改革が行われています。詳しい内容につきましては、当財団の「ドイツエネルギー便り」をあわせてご覧ください。

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5Debunking

ドイツは17基の原発を稼働させていましたが、福島原発事故後、直ちに8基の廃炉を決定しました。残る9基についても、2022年までに段階的に廃止することを決定しています。これは、電力生産量の約15%(2014年2月時点)を占めている原発からの電力を2022年までに、0%にすることを意味します。

ドイツの年間電力消費量に占める自然エネルギーの割合は、2011年には20.4%でしたが、2013年には25.4%にまで、わずか2年間で5ポイントも上昇したのです。更に、2020年には35%へ、2025年には40-45%へと拡大させる目標をたてています。こうした自然エネルギーの拡大と省エネの推進により、脱原発政策の実現を着実に進めています。

欧州の送電網は国境を越えてつながっているので、フランスとドイツの間でも電力のやり取りをしています。しかし、ドイツ全体の電力輸出入を見ると、自然エネルギーの導入拡大にあわせて、輸入よりも輸出が多くなっていることが分かります。脱原発を決めた2011年も輸出が輸入を上回り、2012年にはその差が更に拡大しています。「脱原発で電力が足りなくなってフランスから輸入した」わけではありません。

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6Debunking

国内の原発は、2013年9月以降、一基も動いていません。電力需要の最も高まる夏についても、政府の需給検討委員会が原発なしでも必要な電力をまかなえる、としています。

その大きな要因は、福島原発事故以降に一気に進んだ省エネです。政府の「エネルギー白書」2014年版も、「東日本大震災後、我が国では経済が成長したにもかかわらず、我が国の電力消費量は2010年から2012年にかけて8.0%減少した。」「東日本大震災後、節電の定着が進み、 2013年度夏季の定着節電量は2010年度比で約1,667万kW( 2010年度夏季最大電力需要比で9.3%)」としています。

また、固定価格買取制度の開始以降、自然エネルギーが895万kWも導入されました(2014年3月末現在)。その多くは太陽光発電で、電力需要がピークを迎える夏の日中に供給を支える大きな役割を果たし始めています。

関西電力など西日本での電力の余裕率が低いことを理由として、「原発は電力の安定供給に不可欠」という主張も見られます。しかし、その関西電力などに電力を融通しているのは、同じく原発が全く稼働していない東京電力です。電力供給に余裕がないのは、原発の再稼働に固執して、老朽火力発電の更新など、他の電源の確保を十分に行ってこなかった電力会社の経営方針によるものなのです。

省エネ、自然エネに加え、高効率の天然ガス火力発電の整備を進めることで、「原発ゼロ」でも、更にしっかりと日本の電力供給を支えることができます。

東京電力管内の最大電力は、2013年も震災前の13%減
出典:東京都環境局

http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/setsuden/docs/2012-2013peakdemand.pdf

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7Debunking

日本のLNG輸入額は2010年から2013年にかけて、3兆4700億円から7兆600億円へと増加しました。日本のLNG価格は、概ね国際的な原油価格に連動して決定されており、この間の日本の輸入額増加の最も大きな要因は、原油価格自体の上昇です。原油価格は「アラブの春」など、国際的な状況によって変動するものであり、福島原発事故前から上昇しています。

2010年から2013年にかけて原油価格は約1.5倍に増加しており、これに連動して、マレーシアやオーストラリアなど、日本に多くのLNGを輸出している国で、LNGの単価が同様に増加しています。これらの原油価格と連動したLNG価格の上昇による輸入額の増加は1兆7900億円と試算されます。これは増加額全体の半分にあたり、増加の最大の要因になっています。

このほかに、円安によって輸入額が6400億円増加しており、原発の稼働停止と関係のあるLNG輸入量の増加による増加額は8700億円です。これは、増加額全体の4分の1弱であり、原発停止は燃料費増加の中心的な要因ではありません。

福島第一原発の廃炉が決まり、規制基準の強化などによって他にも多くの原発が再稼働する見通しがないこともあわせて考えれば、原発再稼働は燃料費問題や貿易赤字解消の解決策にはなりません。

燃料費問題などへの真の解決策は、省エネの促進、燃料費のほとんどかからない自然エネルギーの拡大、そして当面は、天然ガス火力発電の高効率化なのです。

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8Debunking

石炭火力の新増設は、気候変動の危機の進行を抑えるための世界の努力に逆行しています。気候変動の研究をまとめる国連の科学者組織、IPCCの直近の報告書では、2050年までに、温室効果ガスの40~70%削減(2010年比)が必要であり、今世紀末には、排出をゼロにしなければならない、とされています。

「最新型」と言われる石炭火力であっても、CO2排出係数(1kWhの電気を作るときに排出されるCO2の量)は、既に実用化されている天然ガスコンバインド発電の 2 倍以上に達します。

米国では、連邦政府の環境保護庁(EPA)が2013年9月に新設の火力発電所を対象に、従来比で約4割下回る水準にCO2排出量上限を定める規制案を公表しています。これは事実上、「最新型」のものも含め、石炭火力発電所の建設を不可能にするものです。また、2014年6月には、既設を含む米国内の発電所から排出される温室効果ガスを2030年までに05年水準から平均30%削減することを提案しました。この規制によって、多くの既存の石炭火力発電所が廃止されるものと見込まれています。

日本では、原発の稼働停止が続く中で、石炭火力発電所の新設計画が相次いで発表されています。しかし、これらの発電所は予定どおりに建設が進んだとしても、稼働を開始するのは2020年以降になります。2020年には、気候変動対策の新たな国際的枠組みが発動され、日本にも一層のCO2削減が求められるのは間違いありません。

日本に必要な電力は、省エネの促進、自然エネルギーの普及、天然ガス火力発電の推進などで十分、安定的に確保することが可能です。今、原発が停止していることを理由に石炭火力の新設を進めるのは、中長期的な視点を欠き、世界の気候変動対策に逆行する誤った取組みと言わざるを得ません。

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11Debunking

図 ドイツの電源別発電量増減の絶対量比較(2010 年と2013 年の差異)
出典:ドイツ連邦統計局、ドイツ連邦経済技術省、ドイツエネルギー・水道事業連盟等の資料より作成。

ドイツでは、2012年、2013年の過去2年間、CO2排出量がわずかながら増加しました。しかし、「原発の停止分を石炭火力の増加によって賄っている」から増えている訳ではありません。
 上の図からも分かるように、原子力の減少分が43.3TWh(433億kWh)なのに対し、自然エネルギーの増加分は47.3TWh(473億kWh)となっています。2011年に8基の原発を停止させ、発電量は大幅に減少しましたが、それを上回る発電量が自然エネルギーによって供給されているのです。

一方、石炭火力は20.3TWh(203億kWh)増えていますが、それ以上に天然ガス火力が22.6TWh(226億kWh)、石油火力が2.1TWh(21億kWh)、減少しています。欧州排出権取引(EU-ETS)の価格が低いまま推移しており、温暖化対策を考慮しない燃料調達コストの比較で石炭が優位に立っていることなどが主な要因です。

ただ、2014年1~8月のデータを見る限り、石炭火力の発電量は前年比で減少しています。発電電力量の8ヶ月間の合計では、前年比約1割の減少となっており、8月だけでみると前年同月比約2割も減少しています 。近年の石炭火力からの発電量増加も一時的なものになるかもしれません。

このような状況下にあっても、ドイツの掲げる中長期的な目標は一切変わっていません。自然エネルギー割合を2025年までに40~45%、2050年までに80%へと高め、温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比40%、2050年までに95%削減すべく、様々な先進的取り組みで世界をリードし続けています。

※詳しくは、環境ビジネスオンライン(自然エネルギー・世界の潮流「原発を停止してもドイツはフランスへの電力純輸出国」)の記事もあわせてご覧ください。http://www.kankyo-business.jp/column/009000.php?utm_source=mail&utm_medium=mail141027_s&utm_campaign=mail

Renewables International “German coal power generation at 10-year low in August”http://www.renewablesinternational.net/german-coal-power-generation-at-10-year-low-in-august/150/407/81593/

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12Debunking

自然エネルギーが増えて電気料金が上昇したため企業が国外に移転している、そして移転先の国では電力需要の増大を石炭や原発で賄っている、という主張は、一部の識者の間で「グリーンパラドックス」と呼ばれています。

しかし、欧州を代表する工業国であり、産業保護を一貫した重要政策としているドイツにおいて、本当にそのようなことが起こっているのでしょうか。実は、グリーンパラドックスの前提となるはずの「電気料金による企業の海外移転」については、データで確認されているわけではないのです。

ドイツ政府の見解では、「(電気料金を理由に)ドイツを去った企業の数に関しても、影響を受けた雇用の数についても信頼できる統計を有していない」としており、事実として確認されたものではないということを公表しています。

図1 各国の産業向け電気料金の推移(税や賦課金を含まない)
出典:Eurostatより作成

また、欧州各国の産業向け電気料金(税や賦課金を含まない)をみてみるとドイツは過去5年、低下傾向にあり、直近の半年まではチェコよりも低かったことが分かります(図1)。必ずしも、ドイツの産業向け電気料金が諸外国に比べて高いわけではないのです。

なお、当然のことながら、企業の海外移転は電気料金だけで決まるものではありません。このことは日本や米国をはじめ、世界共通の事実です。海外移転に際しては、エネルギー価格のみならず、労働コスト、為替、優遇措置、関税や法人税の税率など、様々な要因について中長期的視点で総合的に勘案し、熟慮を重ねた上で決断するはずです。部分的な事象や情報だけを取り挙げ、自分たちの都合のいいように取り繕った「グリーンパラドックス」は、事実に反するばかりか、論理的にも破綻しているといえます。


※詳しくは、環境ビジネスオンライン(自然エネルギー・世界の潮流「原発を停止してもドイツはフランスへの電力純輸出国」)の記事もあわせてご覧ください。http://www.kankyo-business.jp/column/009000.php?utm_source=mail&utm_medium=mail141027_s&utm_campaign=mail


※ちなみに日本とドイツの輸出入額および貿易収支を比較すると以下のようになります。

図2 日本とドイツの輸出入額および貿易収支の推移
注:右図(ドイツ)の円換算は各年の期中平均為替レートを用いた
出典:財務省貿易統計、JETRO資料より作成

ドイツにおける2013年の輸出額は、日本のほぼ倍(約140兆円)にのぼり、貿易黒字は約24兆円に達します。一方、日本では、これまで輸出を支えてきた産業が生産拠点の一部を海外へ移転したこともあって輸出が伸び悩んでおり、輸入額の増加もあいまって約11兆円の貿易赤字(2013年)を計上しています。自国企業の国外移転が問題となっているのは、むしろ日本だといえるのではないでしょうか。

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13Debunking

原料の採掘・運搬から機器の製造、運転・保守、廃棄に至るまで、製品の生涯を通したエネルギー投入量やCO2排出量を分析・評価することを「ライフサイクルアセスメント」と呼びます。太陽光発電システムをはじめとするエネルギー生産技術、発電技術においては、製品のライフサイクルにおける投入エネルギーを、どれだけの期間の生産エネルギーで回収することが可能なのかを示す「エネルギー・ペイバック・タイム」※iが代表的な指標として挙げられます。

下の図は、太陽電池種類別のエネルギー・ペイバック・タイムを示したものです。投入したエネルギーの回収に最も時間のかかる単結晶シリコンでも3.01年、最も短い多結晶シリコン(リサイクル促進ケース)では1.65年となっています。裏を返せば、使用年数20年のうち、およそ17~18年は追加的に燃料などのエネルギーを投入することなく、CO2フリーのエネルギーを生み出していることになるのです。

図 太陽電池種類別のエネルギー・ペイバック・タイム
注:前提条件となるシステムの出力規模・出力係数は4kW・0.74、年間日射量は1342kWh/ ㎡ / 年。
出典:みずほ情報総研(2009)

(参考文献)
• みずほ情報総研、太陽光発電システムのライフサイクル評価に関する調査研究、2009年、
 NEDO報告書No.20090000000073
• みずほ情報総研ホームページ『太陽光発電システムのライフサイクル評価』
http://www.mizuho-ir.co.jp/publication/contribution/2012/oyobuturi1108_01.html

※i エネルギー・ペイバック・タイムとは、製品のライフサイクルにおいて投入されるエネルギーを生産されるエネルギーで回収するために要する期間を意味し、ライフサイクルにおけるエネルギー投入量を年間発電量で除算することにより求めることができる。エネルギー採算性を確保するためには、エネルギー・ペイバック・タイムが使用年数(あるいは耐用年数)より短いことが不可欠で、エネルギー・ペイバック・タイムが短いほど高性能である。
(みずほ情報総研『太陽光発電システムのライフサイクル評価』より引用)

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14Debunking

図 各国の変動型自然エネルギーの割合(2012 年)
注:割合は「風力・太陽光の発電量/電力消費量」
出典:IEA electricity information 2014 より作成

まずは既存の電力系統システムの運用やルール、制約条件などを見直し、変動型自然エネルギーを受け入れる体制作りを進めることが先決です。コストのかかる蓄電池や送電網増強といった追加投資が本格的に必要となるのは、デンマークやスペインのように電力消費にしめる変動型自然エネルギーのシェアが2~3割近くになってからの話です。2~3%を占めるに過ぎない日本でまず議論すべきなのは、「将来を見据えながら、既存の電力系統システムをいかに効率的・効果的に利用するか」だといえるでしょう。

そもそも、電力系統は大きな変動にも対応できるようにつくられています。たとえば、サッカーW杯といった国を挙げた一大イベントの時には、消費者の電気の使用が時間帯によって一斉に変わり、全体の電力需要が急激に変動することがあります。それでも大停電といった混乱を起こすことなく対応できているのは、もとより送配電網や発電設備などで構成される電力システムそのものが、需要(または供給)の急激な変動にも対応できるよう、柔軟性を併せ持っているからです。世界の自然エネルギー先進国・地域では、気象予測システムや揚水発電、地域や国境にまたがる連系線などを最大限活用した運用を行うことによって、電力系統が本来持っている柔軟性を向上させ、自然エネルギーの導入を拡大しているといえます。

ちなみに、国際エネルギー機関(IEA)が試算した自然エネルギー普及シナリオ“The Power of Transformation”(IEA, 2014)では、風力や太陽光などの変動型自然エネルギーを電力系統に入れた場合の影響について分析しています。それによると変動型自然エネルギーが2~3%の段階では特に対策は不要、5~10%でも技術的な問題は小さいとされ、25~45%に高めることも既存システムの柔軟性向上を前提にすれば技術的に可能であるとしています。

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15Debunking

図 ドイツにおける自然エネルギー雇用の内訳(2013年、単位:人)
出典:ドイツ再生可能エネルギー庁資料より作成
http://www.unendlich-viel-energie.de/media-library/charts-and-data

たとえば、メガソーラーやウィンドファームと呼ばれる大規模な自然エネルギー発電所であっても常駐している人はそれほど多くありません。一般の方が見たとき、「あまり雇用を生んでいないのでは?」と考えるのも無理はないでしょう。しかし実際には、設備機器の製造や発電所の建設、運転・保守管理など、我々の眼に触れないところで多くの雇用を創出し、莫大な額の生産や投資を誘発しているのです。

世界全体でみると、2013年には約650万人が直接あるいは間接的に自然エネルギー分野で働いていると推計されており※i、同年の自然エネルギー新規投資額は2144億ドル(1ドル100円換算で21.4兆円)に達します※ii。

またドイツでは、2009~2013年の5年間に年平均で212億ユーロ(約2.9兆円)の投資が誘発され、2013年時点で37万人超の雇用が創出されています。FIT制度をはじめとする自然エネルギー導入拡大政策によって市場や産業が形成され、コスト競争力や設備等の供給能力を向上させていった結果、国内での生産・投資の誘発、雇用の創出に成功したといえます。殊に日本では、賦課金による負担の話に焦点が向きがちですが、自然エネルギーがもたらす経済的メリットにも光をあてるべきでしょう。

ちなみに、自然エネルギー財団では、2013年度、日本の自然エネルギー導入量の大半を占めた太陽光発電について、国内生産誘発額および雇用創出効果を試算し、合計で4.3兆円の国内生産が誘発され、28.1万人の雇用が創出されたと推計しています。


※詳しくは、自然エネルギー財団・ディスカッション・ペーパー「固定価格買取制度2 年の成果と自然エネルギー政策の課題」もあわせてご覧ください。 http://www.renewable-ei.org/activities/reports_20140818.php

※i REN21, Global status report 2014, p14 http://www.ren21.net/ren21activities/globalstatusreport.aspx

※ii FS-UNEP/BNEF, Global trends in renewable energy investment 2014, p15 http://fs-unep-centre.org/publications/gtr-2014

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14Debunking

2011年3月に発生した東日本大震災は、大規模集中型に依存した電力供給システムの弱点を浮き彫りにしましたが、地球温暖化対策やエネルギー効率化といった観点からも大規模集中型の問題点がみえてきます。

図 コージェネレーションと従来システム(火力発電)の比較
出典:一般財団法人コージェネレーション・エネルギー高度利用センター
http://www.ace.or.jp/web/chp/chp_0030.html

上の図は、発電した電気が需要地に届くまでを含めた全体のエネルギー効率をあらわしたものです。従来型の大規模火力を前提としたシステムでは、投入したエネルギーの約6割が廃熱や発電所内用電力、送電時の損失などで失われるため、需要地に届く電気エネルギーは約4割となります。たしかに、最新式の天然ガスコンバインドサイクル発電では6割近い効率を実現するなど、技術革新による高効率化は着実に進んでいますが、従来型の火力発電が多くを占める現状では、全体で4割程度となってしまいます。

一方、分散型電源であるコージェネレーション(熱電併給設備)であれば、需要地の近くに設置することで発電時に生まれる熱エネルギーも有効に活用できるため、電気と熱の効率を合算した総合効率では75~80%になります。これにより、省エネルギー効果(1次エネルギー換算)やCO2削減効果、経済性向上といったメリットが得られるとともに、災害時の非常用電源として活用することで地域のレジリエンス向上にも役立ちます。

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