報告書
風力発電の導入拡大に向けた土地利用規制・環境アセスメントの検討
2017年4月25日

公益財団法人 自然エネルギー財団は、この度、報告書「風力発電の導入拡大に向けた土地利用規制・環境アセスメントの検討」をまとめました*。世界の風力発電導入量は急速に拡大し、既に原子力発電の設備容量を上回っていますが、日本での導入は立ち遅れています。この遅れには、送電網への接続制限だけでなく、日本の土地利用規制や環境アセスメント制度のあり方が大きく影響していると考えられます。本報告書は、これらの制度のあり方を検証し、制度の改善に向けた方向性を提示したものです。

本文 風力発電の導入拡大に向けた土地利用規制・環境アセスメントの検討 (3.1MB)

2017.6.1
報告書56頁の本文及び表17記載の風力発電導入量の数値を一部訂正し、ダウンロードファイルを更新しました。

<概要>
1章では、日本と海外の土地利用制度の違いを確認したのち、風力発電導入先進国であるドイツと米国の土地利用制度について概説します。ドイツ・米国においては、それぞれの土地利用制度の中で、開発可能エリアを特定するなど、風力発電設備の適切な立地への誘導が目指されています。また、自然エネルギー導入に対する高い目標が州や自治体レベルで設定されつつあり、初期段階では、必ずしも適切な位置付けや規制のなかった風力発電設備に対して、環境の確保と開発の促進を両立する規制へと見直す動きが進んできた状況を紹介しています。

風力発電は設置のために独占的に必要とする面積が極めて小さいという特徴があります。実際、欧米では、農業と共生している風力発電は多くの実例があり、日本でもかつては農地で大規模な風力発電開発が実施されてきました。2章では、日本の農地利用制度の現状と課題を整理し、風力の立地に適しているにもかかわらず、厳しい土地利用規制により設置が困難となってきた経緯と現状、改善策の提案を行っています。

3章では、風力発電における環境影響評価制度に焦点をあて、日本と海外の状況を踏まえた上で、課題の整理、具体的改善策の提示をおこないます。ドイツや米国では、簡易アセスによるスクリーニングプロセスを設けるなど、柔軟性のある運用を行っていること、政府や自治体が自然環境情報データベースを整備し、事業者が活用できるようにしていることで、平均的に日本より短い期間でアセスメント調査が終了していることなどを紹介しています。

4章では、都道府県の役割に焦点をあて、意欲的な導入目標を掲げ、県主導の風力開発事業者の募集を行っている福島県の事例などを紹介しています。

*本報告書は、当財団が設置した「風力発電導入促進に向けた制度のあり方に関する研究会」における検討結果、ならびに財団による各種調査の結果をもとに、当財団においてとりまとめたものです。

<目次>
要旨
はじめに ~背景・目的~
第1章  風力発電導入先進国における土地利用制度:日本との比較
第2章  日本の風力発電と土地利用制度の現状と課題
第3章  風力発電と環境影響評価制度
第4章  風力発電の導入拡大に向けた都道府県の政策と役割
おわりに ~導入加速化のための制度改善の方向性~
参考文献


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