固定価格買取制度1年間の評価と制度設計に関する提案

 今回、調達価格等算定委員会が再開されるにあたって、自然エネルギー財団は、以下のとおり、現行制度の成果および課題点を整理し、課題解決に向けた提案を行うものである。

資料 固定価格買取制度1年間の評価と制度設計に関する提案 (377KB)

固定価格買取制度1年間の評価

  1. 自然エネルギー電源に対する民間投資が増大し、400万kW超の自然エネルギー電源の稼働が実現した。これにより水力発電を除く自然エネルギー等電力の割合が1.4%から2.4%にまで増大している。
  2. 太陽光発電の導入量の増大に伴いモジュール販売額が急増している。また太陽光発電の施工・開発事業者の売上額が増大し、従業員数も増加しており、経済への好影響がみられる。
  3. 投資の増大に伴い、部材の調達や建設段階におけるイノベーションが進み、低コストでの発電所の建設が可能となっている。「低コスト発電所」は全体平均よりも約2割安価に設置しており、今後、事業者におけるコスト意識が向上することによってコスト低減が期待できる。

固定価格買取制度の課題と改善のための提言

  1. 長期的な自然エネルギー市場の展望がない点について3割の事業者が課題・リスクを感じており、政府は速やかに野心的な自然エネルギーの中長期目標値を設定すべきである。
  2. 太陽光発電については、事業規模によってモジュールなどの機器費用のコスト差は明らかである。規模別のコストの実態を踏まえ、太陽光発電の買取価格区分については、(1)低圧(10kW未満)、(2)低圧(10kW以上50kW未満)、(3)高圧(50kW以上2MW未満)、(4)特別高圧(2MW以上)に区分すべきである。
  3. 将来の買取価格見通しがない状況は、事業リスクを高めている。また、現状の年一回の価格設定では、急速な太陽光発電のモジュール価格の変動に機動的に対応できていない。コスト変動に柔軟に対応しながら、事業者に買取価格の予見性を付与することが重要である。これに対して、四半期ごとのコスト情報の公開を行い予見性と透明性を高めるとともに、買取価格見通しと機動的な買取価格設定のあり方を検討するためのコスト検証チームを創設すべきである。
  4. 事業計画がないまま設備認定のみを取得し、コスト低下を待って高い利潤を得ようとするケースが問題視されている。これに対して、設備認定取得後、期限を定めて地権者との土地の賃貸契約・購入契約を行うことを義務付け、事業を早期に開始するよう適切に誘導すべきである。
  5. 系統連系工事における費用や工期の妥当性に関する実態調査を実施し、系統連系工事に係る費用や期間の標準メニュー化を進めるべきである。また、系統連系の可否判断に係る情報や系統運用情報について第三者が検証できるよう定量データも含めた情報公開を行うべきである。
  6. 回避可能費用が実態よりも安く見積もられていると見られ、その結果として賦課金が過剰に高く設定されている。海外事例も参考にしつつ、日本の現状に適合し実態を反映した回避可能費用算定の在り方について検討すべきである。


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