太陽光発電の系統接続に関する事業者アンケート結果より
~いますぐに「優先接続」の導入が必要である~

公益財団法人自然エネルギー財団は、系統接続の実態について、国内の太陽光発電事業者252社を対象としたアンケートを実施し、79社より回答を得た(回収率約3割)。 アンケート結果からは、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(固定価格制度、あるいはFIT制度)の下で 電力会社に義務付けられているはずの系統接続が事実上担保されておらず、事業実施の上で大きな障害の一つとなっていることが明らかとなった。 電力会社が系統を所有・管理し、情報も公開されていないために、新しく事業に参入しようとする太陽光発電事業者は、系統協議の交渉上、著しく不利な立場にある。

諸外国では、固定価格制度は、「優先接続」(化石燃料など他の発電設備よりも自然エネルギーからの電力を優先して系統に接続する)という概念とセットになっているが、 日本の固定価格制度は、例外事項を認めるなど、系統接続は、実際には電力会社の裁量に任せられている。

固定価格制度についての議論は、買取価格のみに関心が集中しているが、もう一方の柱である接続義務については、中立的な検証が進められていない。 事業可能性を担保する買取価格が設定されても、系統への接続が保証されなければ、自然エネルギーの導入は不可能である。

自然エネルギーの導入拡大を実現するために、政府は系統接続に関する実態調査を行い、「優先接続」の概念に基づいた系統接続の義務化を確立すると共に、 送配電部門の系統のオープンアクセス、イコールフィッティングを早急に進め、系統利用の公平化・透明化を実現すべきである。

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レポートのポイント


  • 事業を断念した理由のうち25%(60件)が系統接続に係るもので、 太陽光発電においても系統接続が事業実施の上で大きな障害の一つとなっている。
  • 事前相談段階で電力会社から系統連系が拒否されたケースが20%(15件)、また連系制限があるとの回答を受けたケースが37%(28件)あり、 法律上は接続義務が課せられているものの、実態上は連系可能容量の制約などを理由とした接続拒否や、大幅な設備容量の縮小要請、遠い連系点への接続要請など、 実質的に事業を断念せざる得ないケースが多発している(※系統接続の手続きの詳細については次項を参照)。
  • 接続手続きに係る対応は電力会社ごと、更には営業所ごとにばらつきがある。 また、接続協議にかかる時間が長くかかり過ぎているため、効率化・短縮化を求める声が多く寄せられた。
  • 系統連系工事にかかる費用と工期の妥当性に対する不満も多く寄せられた。 現状では、電力会社が連系工事の費用の見積もりを行い、太陽光発電事業者が当該金額を電力会社に支払うことになっている。 しかし、ほとんどのケースで、工事は電力会社の関連会社が行い、発電事業者側には交渉の余地はなく、金額や工期の妥当性をチェックする仕組みがない。

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